梵鐘「城山の鐘」
ぼんしょうしろやまのかね
概要
明暦2年(1656)に、当時の延岡藩主であった有馬康純が今山八幡宮に寄進した梵鐘。明治10年(1877)の西南戦争において、薩軍が砲や弾丸の材料として徴発するのを今山の谷間に隠すことで逃した後、焼かれた城山(延岡城跡)の大太鼓に代わって明治11年(1878)に今山から城山に移されたと伝えられる。それ以後、昭和38年(1963)まで時報鐘として使用され、若山牧水も「なつかしき城山の鐘」「かの城山の時告ぐる鐘」として歌っている。龍頭の意匠は獣頭形で、池の間には日月と雲の文様が施されている。また、刻まれた銘文中に「日刕延岡城主」の表記があり、これが「延岡」という文字表記の最古の資料となっている。また、県内において現在確認されている梵鐘の中で、3番目に古い梵鐘でもある。