兜山古墳
かぶとやまこふん
概要
鯖江[さばえ]市と福井市境にみられる経ヶ岳の南に、南へ長くのびた低い洪積層台地が見られ、鯖江台地と呼ばれている。この台地の北部のゆるやかな東側斜面に、大規模な円墳、兜山古墳が営まれている。本古墳は2段築成の円墳であり、下段は基底径は約60メートル、土面で54メートル、上段は基底径49メートル、墳頂平坦面径約30メートルをはかり、高さは8メートルをかぞえる大規模なものである。墳丘の周囲には幅15メートルの周濠がめぐりとくに北西部では旧状がよく残されている。
墳丘上には、現在、葺石・埴輪の有無は確かめられず、また、埋葬遺構の発見も聞かないが、その墳丘の形態などから見て、5世紀代に築造されたものとみられ、雄大なその規模から見て、この地域の首長墓かと考えられるものである。
本古墳の所在する鯖江台地上には、著名な王山・長泉寺山があり、その山丘上に多くの弥生時代後期から古墳時代前期にわたる古墳群があり、中でも王山古墳群は史跡指定されているが、本古墳は、こうした古墳群に後続するものであり、首長墓として極めて重要なものである。