大入の花祭用具及び関連資料
おおにゅうのはなまつりようぐおよびかんれんしりょう
概要
花祭は、早くから芸能史的に評価され、昭和51年に重要無形民俗文化財に指定されている。東栄町の大入地区は、険阻な山間地での厳しい生活環境のため、昭和30年代には全戸が離村し、国指定以前に大入の花祭は途絶えたが、大入から転出した後も用具類一式が、花太夫を代々務めてきた花山家により保管され、現在は東栄町の花祭会館に保管されている。
花祭の用具には、山見鬼や榊鬼といった鬼をはじめ、翁や巫女、鎮めなどの面、マサカリ(鉞)やツルギ(剣)などの採物、花の舞や三ツ舞など各種の舞で使われた着物や袴などの衣装類、太鼓や笛の楽器があり、関連資料には、花祭の中で唱えられた『御釜神祭文』などの祭文類や、花祭の次第や舞方、歌楽、問答の詞章を記した『舞乃式次第覚』などの古記録がある。