萩螺鈿鞍
はぎらでんくら
概要
萩螺鈿鞍
はぎらでんくら
東京都
平安
沢栗製、2枚居木の黒漆塗螺鈿の海有鞍。両輪ともに縁は黒漆塗で、磯高く、海を強く刳り、前輪には両肩に手形を彫り、山の下端には深めの洲浜を作る。後輪は、爪先の張り強く尻厚くふくらみ、2枚居木は両輪の膚付けに刳り込みを作って取り付ける。両輪の面全面には左右の爪先から萩叢と桔梗の花をほぼ対照的に描き、洲浜上には蜘蛛の巣を配す。居木は前後寄りと居木先に同様萩を螺鈿している、居木裏にはえぐりこみをつけ、紐の膚づれを防ぐ。
前輪高29.9 馬挟41.1
後輪高26.5 馬挟34.2
居木総長44.0 居木幅10.5 居木先7.0 乗間29.0 (㎝)
1背
東京国立博物館 東京都台東区上野公園13-9
重文指定年月日:19670615
国宝指定年月日:
登録年月日:
独立行政法人国立文化財機構
国宝・重要文化財(美術品)
前輪の高頭【たかがしら】はゆるやかで磯は厚く、後輪のふくらみの強い雄大剛壮な軍陣鞍である。これに施された咲き乱れる萩の文様は、平安時代藤原様式の典雅な趣きをよく示している。