吉野ヶ里遺跡
よしのがりいせき
概要
吉野ヶ里遺跡は、弥生時代における有力首長層の成長や「国」の形成を考えるうえで、欠くことのできない大規模な環濠集落として、平成2年に史跡に指定された。その後、佐賀県教育委員会が実施した確認調査により南北約1キロメートル、東西約600メートル、面積にして約40ヘクタールに及び集落の規模と、弥生時代前期から後期にわたる集落の変遷過程や集落と一体的に変遷する墳墓の形成過程等が明らかとなり、きわめて高い学術的価値と他に例をみない豊富な情報を有する遺跡として、平成3年に特別史跡に指定された。
集落内部中央には、環濠を巡らせた「北内郭」および「南内郭」があり、その内部には大型の掘立柱建物等がみられ、特別な機能を有し集落内で重要な位置を占める区画と考えられている。このうち二重の環濠に囲まれる「北内郭」の東南部から南部にかけての一部が未指定地となっていた。今回この地域について、地権者の同意が得られたため、特別史跡に追加して指定し、保存を図ろうとするものである。