木曽塗の製作用具及び製品
きそぬりのせいさくようぐおよびせいひん
概要
我が国では全国各地に特色ある塗物の産地が形成され、洗練された漆芸を生みだすとともに、人々の生活に器物用具類を供給してきた。木曽塗の産地、楢川は、そうした漆器の産地の一つで、主に檜材を用いた曲物木地と桂材を用いた指物による木地の産地として知られている。
この資料は、旧楢川村が収集・整理したもので、木曽路にあって他の追随を許さぬほどに質量ともに充実している。その内容は、漆器製作の材料関係用具、木地関係用具、塗関係用具、加飾関係用具とそれらを用いて作られた製品をはじめ、関係の販売用具、職人生活用具及び信仰儀礼用具などで構成されている。製作工程を基軸に体系的にまとめられており、相互に補完し合って木曽塗の実態と変遷を語るにふさわしいものとなっている。