知恩院本堂(御影堂)
ちおんいんほんどう(みえいどう)
概要
知恩院は,京都東山の山麓にある浄土宗総本山で,本堂(御影堂)は中心建築の建ち並ぶ伽藍中段にある。
本堂(御影堂)は,寛永10年(1633)焼失後,徳川家光によって寛永16年(1639)に建立された。桁行11間,梁間9間,入母屋造,本瓦葺の建物である。
全体として外観は和様でまとめ,内部は禅宗様の巧みな技法を駆使して柱が林
立した空間をつくり,浄土宗本堂の建築的特徴を最大限にあらわしている。
意匠や技術の面において極めて優れ完成度も高く,江戸初期における徳川家の大造営の代表として位置づけられ,我が国の建築史上極めて高い価値がある。
総本山本堂に相応しい壮大な規模と雄麗な内部を創出し,我が国の社会に広く影響を及ぼした浄土宗の中心建築として,特に深い文化史的意義を有している。