知恩院三門
ちおんいんさんもん
概要
知恩院は,京都東山の山麓にある浄土宗総本山で,伽藍は勢至堂や御廟の建つ上段,本堂など中心建築の建つ中段,三門や塔頭が建ち並ぶ下段からなる。
三門は,徳川秀忠が元和5年(1619)に建立を発意し,元和7年(1621)に完成し,造営に中井家支配の棟梁があたったことが知られる。
形式は五間三戸二階二重門で,左右に山廊が付く。構造細部は禅宗様を基調と
し,二階内部は極彩色を施す。
江戸時代初期における建築技術が最大に発揮され,高い完成度をもつ遺構のひとつとして位置づけられ,建築史上極めて高い価値が認められる。
現存するうち最大の二階二重門で,かつ装飾も荘厳を極め,我が国の社会に広く影響を及ぼした浄土宗総本山の象徴として,深い文化史的意義を有している。