竹厨子〈(行信大僧都奉納)/(法隆寺献納)〉
たけずし
概要
明治11年法隆寺から皇室に献納された宝物類(法隆寺献納御物の名で親しまれ、正倉院の宝物と並び称されている)の中に含まれているものである。
竹厨子は、両開きの扉をもち、内部を三段に区画した厨子形の納経箱で、身を槻(つき)材でつくり、外部を細い斑ら竹をつらねて作ってある。繊細な技法とともに他に類品をみない点、奈良の貴重な遺品である。法隆寺東院縁起仏経〓資財帳に「右奉納大僧都行信師」とあるが、行信(ぎようしん)は、はじめ元興寺で法相宗を学び、広く他宗を兼学したのち法隆寺に止住し、東院の復興につくした奈良の高僧である。