金銅柄香炉〈鵲尾形/(法隆寺献納)〉
こんどうえごうろ
概要
明治11年法隆寺から皇室に献納された宝物類(法隆寺献納御物の名で親しまれ、正倉院の宝物と並び称されている)の中に含まれているものである。
柄のついた香炉で、柄の末端が鵲(かささぎ)の尾のように三股にひらいている。柄裏に「慧慈」と朱書され、縁裏に「上宮」の刻字があるが、上宮は聖徳太子のことであり、また慧慈は太子の師である。自然鉱の真鍮(しんちゆう)である鍮石から製したものとみられるが、鵲尾(じやくび)形の柄はふつうの香炉にはみられない。おそらく柄香炉として最古の遺品であろう。