長岩屋の修正鬼会の芸能
ながいわやのしゅじょうおにえのげいのう
概要
この芸能は、大分県豊後高田市大字長岩屋に伝承されるもので、先に選択した国東町のものと同種の、鬼走り行事と火祭り行事とが組み合わされた修正会(旧一月七日)の行法である。
法会は大松明の儀と勤行とからなり、勤行には伽陀、懺法、初夜、仏名、法咒師、神分、三十二相、縁起目録、米華、開白、香水、四方固め、鈴鬼、災払鬼・荒鬼、鬼の目撒き、鬼後、咒の次第がある。勤行の前半はおおむね座行であるのに対して行半は立行で、この立役動作に芸能としての興味がある。全体として行法や祈祷が芸能に移り変わる道筋が見られ、また招福除災の効験があるとされている鬼面の芸は法咒師の芸と考えられ、芸能史的に貴重な資料である。
国東のものとの相違点は、舞がこちらの方がやや勇壮活発であること、災払鬼・荒鬼が、こちらでは二鬼が堂の周囲を乱舞するだけなのに、国東では三鬼出現し堂外の村内各家を訪れ家内安全、無事息災の加持祈祷をする習わしがあることなどである。
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