阿波の人形芝居
あわのにんぎょうしばい
概要
阿波地方に行なわれる人形芝居である。徳島市では八月上旬に定期的に上演されるが、県内各地での開催は不定期である。
阿波の領主蜂須賀氏は、関ケ原の役以後、淡路をも領したので、淡路と阿波の交流が盛んであり、また歴代の藩主が人形芝居を保護奨励したため、淡路の上村源之丞もたびたび城内に参入してその技を上覧に供し、城下においても興行を催すことができた。歌舞伎が禁止されていた事情もあって、この人形芝居が次第に普及し、人形遣いになる者を生むとともに、浄瑠璃の太夫や三味線にも名手が輩出し、神社の境内に舞台を設けて町や村の祭礼にはかならずといっていいほど人形芝居が演じられた。このため阿波の人形芝居が盛んになり、かしらを大きくするなどの工夫が加えられ、独自の人形芝居を作り上げるに至った。
人形芝居の中でも文楽とは異なった特色がみられ、日本の人形芝居の一つとして価値が高い。
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国指定文化財等データベース(文化庁)