亦稚貝塚出土の遺物
またわっかかいづかしゅつどのいぶつ
概要
・亦稚貝塚の出土遺物は、昭和52年(1977)に宗谷バスターミナルの改築工事に伴う発掘調査で出土した遺物です。
・オホーツク文化の生業、狩猟対象の動物とオホーツク文化を担った人々との関係を知るうえで、貴重な資料がたくさん出土しました。
・土器は、オットセイやクジラなど海の動物を線で刻んで模様をつけたものと、粘土紐を貼り付けて模様をあしらったものとがあります。
・鹿角製品には一頭のクマの頭部と約40頭以上のクジラやトド、オットセイが彫られています。
・この鹿角製品はトナカイの角でできていますので、サハリンなどの北の地域から持ち込まれたものと考えられます。
・亦稚貝塚は明治33年(1900)に海獣の牙で作った人形が発見され、翌年には坪井正五郎によって「北海道利尻貝塚発見の海獣牙製の人形」として『東京人類学会雑誌』に発表されました。
・亦稚貝塚の亦稚はアイヌ語の「マタ・ワッカ」で「冬・水」という意味です。このことから冬でも凍らない湧き水があった場所であったことがわかります。