宋版唐書〈列伝残巻/〉
そうはんとうじょ
概要
新唐書の南宋時代版本で、全二百二十五巻中、列伝に当たる巻七六~七九、九一~一三二、一四四~一七二、一九二~二二五の百九巻分二十二冊を存す。巻二百二十五末に北宋嘉祐五年(一〇六〇)六月の進呈表と鏤板頒行の中書箚子があるが、その刻工名は南宋初期の思溪版一切経及び紹興年間刊行の宋版本の刻工と一致し、かつ摺印も比較的鮮明であるから、南宋初期の再刊後まもない頃の摺印本と認められる。本書は現存する宋版唐書中最古の摺本と目されるもので、第十七冊及び二十二冊末尾に上杉憲実が足利学校に寄進した旨の墨書がある。