押隈 六代目尾上菊五郎
おしぐま ろくだいめおのえきくごろう
概要
押隈 六代目尾上菊五郎
おしぐま ろくだいめおのえきくごろう
本紙270×407、軸長345、全長1210(mm)
千代田区隼町4-1 国立劇場
登録番号12095-8
鈴木十郎コレクション
調査監修:石橋健一郎
解説:安冨順
独立行政法人日本芸術文化振興会
隈:筋隈。荒事の典型的な隈取の一つ。紅色の隈は勇猛果敢な正義の男性ヒーローの力強い筋肉の盛り上がりと血管の怒張を表す。役者:六代目尾上菊五郎。役名:不詳。署名:「菊五郎(朱印)不明」。六代目尾上菊五郎:明治18年(1885)~昭和24年(1949)。世話物の役々を細かくリアルに演じる父・五代目尾上菊五郎の芸を、さらに近代化させる。一方、九代目市川團十郎に仕込まれた踊りでは『京鹿子娘道成寺』、『鏡獅子』など大曲に優れた表現様式を確立した。旧蔵者の覚書に「菊五郎 隈 小田原 戸塚君より贈られしもの 署名自筆にあらずと思はる」とある。菊五郎の署名はその多くが「六代/菊五」。また筆跡も異なっている。さらに、丸顔だった菊五郎とは顔立ちが違っており、菊五郎とするには疑問が多い。