山水図
サンスイズ
概要
周徳は、雪舟(一四二〇~一五〇六?)の弟子のひとり。別に惟馨と号したとされ、雪舟亡き後の雲谷軒を継いだとも伝えられる画僧である。生没年は定かでないが、天文十二年(一五四三)に没した千林宗桂(大徳寺第八十五世)の着賛する作品が遺ることなどから、おおよその活躍時期が想定される。 本図は雪舟筆として著名な「破墨山水図」のスタイルにならうもので、墨のにじみやぼかしを効果的に用いて、湿潤な大気が見事に描出されている。画中には基準の「周徳」印とともに「惟馨筆」の署名があるが、自筆か否かは微妙である。