埴輪 家
はにわ いえ
概要
家形埴輪は形象埴輪の中で早くから出現するものの一つであり、古墳時代を通じて製作された。古墳時代の居館、祭祀場、倉庫等の建築物を象るもので、古墳時代の建物の構造等を推定するために欠かせない資料である。
本品は高さを強調したつくりであり、これは関東地方の古墳時代後期にみられる家形埴輪の典型的な特徴である。箱書きにより出土が伝えられる荒砥村西大室(現群馬県前橋市西大室)は、大室古墳群などの前方後円墳を中心とした古墳時代後期の大規模な古墳群があることで知られる。「中島古墳」は現在知られていないが、中島という小字には直径数十m規模の円墳が30基ほど集中していたことが知られており(現在はすべて削平により消失)、本品もこれらの古墳から出土したものと考えられる。