池田古墳出土品 一括
いけだこふんしゅつどひんいっかつ
概要
全長約135メートル、但馬地域で最大規模を誇る前方後円墳に伴う形象埴輪を中心とする出土品の一括。古墳は五世紀前半の築造。墳丘の中央部を横断するように敷設された国道の改良工事に伴って発掘調査され、造出や渡土堤など古墳に付属する施設から、水鳥形、家形、盾形等の形象埴輪や、土器・食物形土製品などの小型模造品が多数出土した。
特に、水鳥形埴輪が24体以上出土しており、全国で最多を誇る。これらは写実性に優れ、形や体の表現、製作手法も多様である。なお、古墳時代、水鳥は他界を象徴する存在であったともいわれる。また、南北の造出で出土遺物の内容が異なっており、それぞれが儀礼の場として異なる役割を担っていたことが分かった。
残りの良い多数の水鳥形埴輪をはじめ種類豊富な埴輪や土製品・木製品があり、古墳上での儀礼や古墳に付属する施設の機能や変遷、古墳時代の精神世界を考えるうえで重要である。