萩蒔絵螺鈿雪吹棗
ハギマキエラデンフブキナツメ
概要
艶消しの金地に厚手の螺鈿を用いて、萩の花を琳派風にデザインした雪吹。抹茶を入れる容器である。天地を面取する形式から、天も地もわからないほどの「吹雪」と名づけられ、文字の天地を入れ替えて表記される。本品の底裏には「光琳造」という立派な蒔絵銘があるが、こうある場合まずたいてい光琳作ではない。じつは、まったく同じ品が、一九一六年にロンドンのV&A美術館に収蔵されている。明治期の光琳リバイバル・ブームに乗って複数作られた優品のひとつと考えられる。