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松に孔雀図

概要

松に孔雀図

日本画 / 絵画 / 日本

曾我蕭白  (1730-1781)

そがしょうはく

制作年不詳

紙本墨画

171.5×86.0

襖 4面

 京都に生まれた曾我蕭白(一七三〇-八一)は、一度ならず伊勢地方を遊歴しており、旧永島家襖絵をはじめとした多くの作品を、この地で手掛けている。
 ところで、蕭白が旅したのは、伊勢地方だけではない。蒲蕭が赴いた地に出雲や九州を挙げることができるのだが、兵庫県の播州地方もその一つである。
 ここで取り上げた老松と二羽の孔雀を描く襖絵は、もとは「許由巣父図襖」(当館所蔵)と表裏を成していた。地方の地紙が用いられた裏張りに、高砂市近郊の地名がみられることから、高砂滞在中に描かれた作品と知ることができる。
 蕭白は、三十四歳ごろと三十八歳ごろの二度、播州地方に赴いているが、画風や落款などから二回目の播州高砂滞在中、つまり明和四(一七六七)年ごろに制作されたと考えられる作品である。
 勢いよく枝を伸ばす老松は濃墨で、ゆったりとした羽を持つ孔雀は淡い墨を基調として描かれている。
 墨の濃淡と筆致を使い分けることで、老松と孔雀の各々の質感が巧みに表現されており、蕭自作品の中でも、優れた出来栄えを示す。制作年代、制作地が明らかな貴重な作例でもある。(佐藤美貴)

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キーワード

蕭白 / / 永島 / 曾我

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