大柳生の宮座行事
おおやぎゅうのみやざぎょうじ
概要
夜支布山口神社では、氏子域の数え15歳以上の男性が神社の祭祀組織である宮座を形成している。座衆のうち年長の座順で上位20人は二十人衆(ニジュウニンシュウ)とよばれ、生涯その資格を有する長老衆となる。さらに二十人衆の上位8人は一老から八老までの八人衆(ハチニンシュウ)となる等年齢階梯が顕著に認められる。
二十人衆は年長の座順により毎年交代で当屋(トウヤ)をつとめる。当屋は、衣装や烏帽子、笛が入った「まわり明神」と呼ばれる黒箱を1年間自宅で預かり、座敷の鴨居の上のような高所に置かれた屋形の中に入れ、安置して祀る。「まわり明神」は氏神の分霊であるといわれており、黒箱の衣装や烏帽子は秋祭りで当屋が身につけることから、当屋自身も「明神さん」とよばれる。
二十人衆以外(二十三番目以下)の座衆からは年間の神社行事の世話役をする禄人当(ロクニンドウ)、秋祭りにガクウチの芸能を奉納する8人からなる入衆(イリシュウ)が座入り順で選ばれる。
宵宮の夕刻に当屋(明神さん)、前年の当屋である相当(アイトウ)をはじめとする二十人衆が神社の拝殿に集まり、祭典が執行される。その後、社務所で座が開かれて新しく座入りがおこなわれ、最後に直会(ナオライ)となる。
例祭の朝、当屋宅で当屋・相当・入衆等が集まり、祭典がおこなわれる。その後、入衆によるガクウチの練習がある。正午頃、神社では社務所に二十人衆が集まり、直会の前に十九番と二十番が褌を着け、拝殿で相撲をとる。
午後には素襖(ソウ)、烏帽子と鼻木(ハナギ)とよばれる被り物をつけた入衆のうち、一番目が鼓(小鼓)、二~四番目が小太鼓(締太鼓)、五~八番目がガチャガチャ(編木)を鳴らし、当屋と相当の前でガクウチの所作を3回繰り返し奉納する。その後、当屋の子息を先頭に、当屋・相当・入衆・当屋の親族の一行は神社へ向けて出発する。本社の山口神社と摂社の立盤神社で同様にガクウチがある。拝殿での祭典後に御旅所に神輿等とともにお渡りをし、祭典後に同じくガクウチがおこなわれる。