久喜製錬所遺跡群
くきせいれんしょいせきぐん
概要
久喜製錬所遺跡群
くきせいれんしょいせきぐん
島根県
久喜製錬所は後木屋集落地内、東流する江川支流長瀬川の南側の山麓に所在。全体の面
積およそ20,000㎡。その内約2,200㎡内にレンガや石積みによる乾燥窯の跡×2基・焙
焼炉の跡×20基以上・熔鉱炉の跡×2基以上が残存。また、焙焼炉及び熔鉱炉から山頂へ
と続く煙道は、レンガ天井を一部に残す。含銀鉛の製錬により排出したスラグは数メート
ル堆積し、確認できる範囲でも約1,400㎡のカラミ原となっている。 水抜間歩(坑道)
は、製錬所跡の北側、長瀬川の対岸に位置する。坑口部分で幅約1.7m、高さ1.9mを計る。
昭和の開発時のものと考えるトロッコのレール(約57㎝幅)を残す。 山田屋敷跡は、
水抜間歩の西側に位置し、高さ1.2~1.8mの石垣を持つ約900㎡の屋敷跡。 山神社は、
山田屋敷の西側に位置する。本殿約10㎡を残す。拝殿は数年前に積雪により倒壊。 久
喜山 神宮寺は、山神社の西側に位置し、約66㎡の本堂を残す。 なお、19世紀初頭の
ものと考えられている久喜村絵図にすでに水抜間歩及び山神社、神宮寺が描かれており、
その位置は変わっていない。
山神社や神宮寺は、土地所有者が他県在住であることから、地域の方が維持管理している。久喜製錬所跡は地元で発足した久喜・大林銀山保全委員会が保全活動を行っている。
島根県邑智郡邑南町久喜1713番地外
邑南町指定
指定年月日:20141029
記念物