梨子地鳳凰雲鶴蒔絵中央卓
なしじほうおううんかくまきえちゅうおうじょく
概要
10代鍋島直正の別邸である神野御茶屋に伝来した御道具の一つ。中央卓とは棚物の一種で、床の中央に置いて香炉などを荘る卓。金銀・青金薄肉高蒔絵・金金貝・金付描で、変わり花菱繋文の地紋を作り、天板表中央には桐の大きな円文を、彫板には雲鶴を描いた窓絵を置く。天板縁、脚部、基台側面は梨子地に宝尽し文を散らし、変わり牡丹紋をおく。天板下の側面は金平蒔絵で菱繋文を描く。地板に銘「古満巨柳作(花押)」。古満巨柳は安永・天明期、18世紀後半に活躍した印籠蒔絵師。5代古満休伯の門人となり、師家より古満の姓を許され、後に巨柳斎と号した。