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東伊豆地方の鹿島踊

ひがしいずちほうのかしまおどり

概要

東伊豆地方の鹿島踊

ひがしいずちほうのかしまおどり

無形民俗文化財 / 中部

選定年月日:20050221
保護団体名:

記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財

 鹿島踊は、二十数人から十数人の集団で踊られるもので、初めは輪で、後に縦に三列、五列などに並んで方形になって踊る。この形を基本として多くは複数回繰り返して踊られるものである。関東地方を中心とした太平洋岸沿いに分布し、静岡県では主に東伊豆地方の熱海市、伊東市、東伊豆町で行われている。多くは夏から秋にかけて各地域の神社祭礼の折に神社境内などで踊られる。
 鹿島踊の踊り手は、烏帽子に白装束または浴衣で、右手に扇か団扇を持ち、左手で御幣を肩に担ぐ。また、踊り手のうち、太陽、月、柄杓などの飾りを先に付けた御幣を持つ者がおり、歌を主導したり、踊りを主導する場合が多い。踊りは、二十数人から十数人で、初め輪になって踊り、後に方形に並んで踊って、この形を繰り返す。所作は、左手では担いでいる御幣を時折掲げるような振りぐらいであるのに対し、右手での振りは軽やかに扇や団扇を翻す振りが比較的多い。太陽、月、柄杓などの飾りを先に付けた御幣を持つ者は、多くは中心で踊り、柄杓の御幣には「ヨネ(米)」などといわれる細かく切った紙吹雪状の色紙を中に詰め、柄杓を踊りながら振り回して細紙片を散らせる。太鼓や鉦の演奏者は、御幣を持たずに踊りに加わるが、踊りの中心に入って所作を付けながら演奏するものが多く、併せて歌を主導するものもある。太鼓のみ、楽器なしのところもある。歌は、踊り手以外の歌い手が歌うものと、踊り手が歌うものとがある。踊り始めに際し、太陽の役などの主導者が「千早振る 神々のいさむなればみろく踊りめでたし」(来宮神社鹿島踊。以下同じ)という主旨の詞を述べて歌に移り、踊りが始まる。歌は伝承状況により多寡の差があるが、「誠やら 熱海(鹿島又は当該地名)の浦に みろくお船が着いたとせ ともへには伊勢と春日の中は鹿島の御社」「天竺の雲の間で 十三小姫が米をまく その米を何んとまく 日本つづきと米をまく」など、概ね共通した詞章を有している。

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