百済寺本堂
ひゃくさいじほんどう
概要
百済寺は,鈴鹿山脈の西山腹に位置する天台宗寺院で,湖東三山の一つとして知られている。
本堂は,天海の高弟亮算が再建に着手,慶安3年(1650)に完成した。桁行5間,梁間5間,背面張出付で,屋根は入母屋造,檜皮葺,正面軒唐破風付である。平面は梁間方向に前方から外陣,内陣,後陣に三分割されている。
百済寺本堂は,中世以来の伝統的な仏堂形式に則って,内陣と外陣の対比的な空間秩序を保持しながら,平面的にも造形的にも近世らしい平明な構成を創りあげており,価値が高い。
中世以来の仏堂形式が変容する過程で,近世的な特質を顕現した代表的な遺構として,貴重である。