善光寺本堂
ぜんこうじほんどう
概要
善光寺は、推古十年の創立と伝わる古刹である。現在の本堂は元禄十三年(一七〇〇)の炎上のあとの再建であって、別当慶運が浄財を集め、大工甲良豊前入道宗賀の設計によって宝永四年七月完成した。
桁行(側面)十四間、梁間(正面)五間のきわめて縦長の建物である。柱はすべて丸柱で、入側柱が高く、三手先組物で軒を支え、T字形の棟をもつ入母屋造屋根をかける。
善光寺本堂は、奥行の深い平面を持つ規模の宏壮な建物で、独創的な形状は、仏殿建築として一生面を開いたものと云える。その非凡な設計は德川時代中期に於ける傑作である。