絹本著色草虫図
けんぽんちゃくしょくそうちゅうず
概要
草花や蔬花に様々な虫などを描き加えた図を古くから草虫画と呼び習わしている。現在の江蘇省武進県にあたる「毘陵」の印を有する本図は、宋代から明代にかけて盛んに描かれた草虫画の画系やバラエティ等を考える上で重要な遺例である。中国では、草虫画は歴史的に淘汰されてしまったが、我が国では大切に愛玩され、近世の草花図に何らかの影響を与えていると考えられている。本図をはじめとする草虫画は我が国における船載中国画の在り様の典型的な例であるといえるであろう。