メートル条約並度量衡法関係原器
めーとるじょうやくならびにどりょうこうほうかんけいげんき
概要
明治18年(1885)、我が国はメートル条約に加盟した。1888年、国際度量衡委員会は、イギリス製の白金・イリジウム合金地金を用いたメートル原器30本のうちの一本(No.6)を国際メートル原器とし、翌年にはそれ以外を条約加盟各国に抽選により分配し、我が国は原器(No.22)と、同時に製作されたキログラム原器40個のうちの一個(No.6)を受領した。明治24年(1891)3月、我が国は度量衡法を公布したが、「度量ハ尺、衡ハ貫ヲ以テ基本トス」とされ、尺はメートル原器の33分の10、貫はキログラム原器の4分の15と規定された。これによりメートル原器を基準とする尺貫法が制定された。このため新たに尺原器、貫原器が必要となったため、その製作を国際度量衡委員会事務局に依頼し明治31年これらを受領した。我が国従来の複雑かつ多様な度量衡制度を国際的な基準に則った体系的なものとした原器類であり、社会、経済、学術等の幅広い分野に決定的な影響を与えたもので、日本の近代における度量衡の原点に位置する根本資料であり、歴史的・学術的価値が高いものである。
令和元年(2019)5月20日,キログラムの定義が改定され,キロラム原器が原器としての役割を終えたことを契機として,キログラム原器その他質量に関する原器類の追加指定を行った。