絹本著色不動明王立像
けんぽんちゃくしょくふどうみょうおうりゅうぞう
概要
引首印(白文長方印)「□」、墨書(自賛)「神国正危急/男児須赴難/斬斬/更斬尽/一剣倚/天寒」「此詩不成詩体/然雖聊表書人/意以畏友/荒木君出征贐」「木仙生併題」、白文方印「良二印」。(贐…はなむけ)
『須賀木仙作品集』にも不動尊の絵画などが複数掲載されている。
須賀木仙(1905~79)は、本名良二。蝋型鋳造家・初代須賀松園の次男で、2代松園の実弟。蝋型鋳造の家業に就く。富山県工業試験場にて銅器の原型、デザインの製作・指導を行った。文展・日展等にも多数入選。また陶芸・絵画もよくした。
極箱には、須賀正佐(まさすけ/1925~2006。3代松園。木仙の甥)の箱書きあり。蓋表「不動明王」、蓋裏「木仙子画並題/昭和五十六年辛酉卯月 甥 正佐識」、朱文方印「正佐」。
<参考文献>
・木仙愛好会『須賀木仙作品集』1980年
・北日本新聞社『富山大百科事典 上巻』1994年
・高岡市立美術館・高岡市立博物館『高岡三代名作美術展』1989年
<不動明王>(小学館 デジタル大辞泉より)
五大明王・八大明王の主尊。大日如来の命を受けて魔軍を撃退し、災害悪毒を除き、煩悩を断ち切り、行者を守り、諸願を満足させる。右手に利剣、左手に縄を持ち、岩上に座して火炎に包まれた姿で、怒りの形相に表す。両眼を開いたものと左眼を半眼にしたものとあり、牙を出す。制吒迦(せいたか)・矜羯羅(こんがら)の二童子を従えた三尊形式が多い。不動尊。無動尊。