蝋型鋳造額面「魁星」
ろうがたちゅうぞうがくめん「さきがけぼし」
概要
蝋型鋳造一家、須賀家の「龍」と並んで得意とした「魁」を題材としている。
隆々と盛り上がる筋肉や、全身をまとう天衣は激しくひるがえり、躍動感あふれる優品である。
「魁」とは、「魁星」ともいい、北斗七星の第一星のことである。また「文章星」といって、中国の文事を司る神様のこと。右手には筆、左手には墨壺を持っている。
二代松園は本名・精一。初代松園(亥子蔵)の二男として東京入谷に生まれる。明治42年(1909)、父に従い来高し、江戸流蝋型鋳物を学ぶ。昭和10年(1935)に二代松園を襲名。同18年(1943)新文展で特選となり以後毎年出品。国芸術保存資格甲種を認定され、戦時中も国から資材の配給を受け製作を続ける。同20年(1945)富山県立高岡工芸高校教師となる。同30年(1955)、富山県工芸美術功労表彰。同39年(1964)富山県無形文化財に認定される。
数々の功績が認められ、昭和49年(1974)に国指定(選択)無形文化財保持者に認定。工芸美術部門のみならず、精密鋳造業界にも貢献した。また余技に書・水墨・素描などがある。