花鳥図屏風
かちょうずびょうぶ
概要
多種の花木が咲き、川が流れる庭を舞台に、様々な鳥や動物が描かれる。鳳凰、鶴、虎と豹の番など東洋的な図様がいる一方で、ドラゴンや『イソップ物語』の挿絵銅版画を転用した西洋的モチーフが混じる。技法としても盛上技法を用いた金雲が画面を装飾しており、東西折衷的な表現が見られる。本作品は、17世紀から19世紀にかけて日本の屏風絵に倣って西欧世界で制作されたビオンボ(屏風)のうち、成立年代が特に早い。日本や中国などの東洋絵画のモチーフ・構図・技法と西洋絵画由来の主題・モチーフの混交が明確に指摘できる、重要な新出作品であり、大航海時代の文化交流の様相を映し出す鏡と呼ぶべき希少な作例である。