徳川家宣国書写
とくがわいえのぶこくしょうつし
概要
江戸幕府6代将軍徳川家宣(1662〜1712)から朝鮮国王宛てに出された国書の写し。これまで内容自体は知られていたが、将軍印にいたるまで正確に写した資料の出現は初めてのことであり、きわめて貴重である。この国書作成の背景には、教科書にも登場する新井白石(あらいはくせき:1657〜1725)の「正徳の治(しょうとくのち)」がある。儒学の影響を強く受けたこの改革では、国内施策だけでなく外交面でも様々な変革が実施された。とりわけ江戸時代日朝関係における最重要外交文書である両国の国書の様式を改めて、日本と朝鮮の関係を対等なものとし、朝鮮通信使の待遇を簡略化した点が特記される。