仏説潅頂七万二千神王護比丘呪経巻第二(足利尊氏願経)
ブッセツカンジョウシチマンニセンシンノウゴビクジュキョウマキダイ2(アシカガタカウジガンキョウ)
概要
文和三年(一三五四)正月二十三日に足利尊氏(一三〇五ー五八)が、後醍醐天皇や尊氏自身の父母、更には元弘の乱以後の戦乱で落命した人々の霊を慰め、天下太平と民衆の安穏を祈願して発願書写せしめた一切経のうちの一帖。書写にあたっては、京洛・南都・鎌倉の主要寺院を含めた諸僧が動員され、その年の十二月二十三日に経供養が行われた。木版刷りの発願文は、五行のが二種、四行のが一種あり、「尊氏」とあるのが自署である。