四季山水図屏風
しきさんすいずびょうぶ
概要
右側の屏風には春から夏の場面が描かれています。右側にある山からは雪解け水が流れ落ち、左にいくにつれ柳の葉が生い茂っています。遠く漁の様子を眺めながら涼んでいる人々も見えます。
左側の屏風でも右から左に秋から冬へと季節が移っています。屏風の中ほどでは雁が群れをつくって飛び、左側には雪化粧した山々が描かれています。
描いたのは室町時代中期の禅僧である周文と伝わっていますが、おそらくは周文よりも後の世代の人によって描かれたものとみられます。四季の移ろいを読み取ることができるこの作品は、四季山水図屏風という名称がつけられましたが、別の画題がベースになっているとも考えられています。それが、瀟湘八景(しょうしょうはっけい)です。
室町時代に描かれた山水図では、瀟湘八景をモチーフとした絵が好まれました。瀟湘とは中国湖南省にある洞庭湖(どうていこ)に流れ込むふたつの川、瀟水(しょうすい)と湘水(しょうすい)が合流する地域のことです。その地域で見られる景観を8つの画題に描き分けたものが瀟湘八景図です。
8つの画題とは、市のにぎわいを描いた山市晴嵐(さんしせいらん)、帆掛け船が遠くを行き交う遠浦帰帆(えんぽきはん)、漁村ののどかな光景が広がる漁村夕照(ぎょそんせきしょう)、ひっそりとした山あいのお寺で鐘が鳴る遠寺晩鐘(えんじばんしょう)、夜の雨がしとしとと降る瀟湘夜雨(しょうしょうやう)、湖に月が浮かんでいる洞庭秋月(どうていしゅうげつ)、雁が砂浜に舞い降りる平沙落雁(へいさらくがん)、山に雪が降り積もる江天暮雪(こうてんぼせつ)です。
今回ご紹介する作品は瀟湘八景がベースとなっていることは確かなようですが、はっきりとこの画題だと言いきれないものもあります。季節や時間、天気などをヒントに、8つの画題を探してみてはいかがでしょうか。
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