福岡県大宰府跡出土品
ふくおかけんだざいふあとしゅつどひん
概要
大宰府は、律令国家において西海道諸国島に対する内政総監の府として設置され、九州地方の海辺防備及び外交・交易の拠点としても機能した古代官衙である。本一括は、その主要な出土品1,770点で構成される。
その内容は、政庁跡や観世音寺跡、大野城跡、水城跡などの建物に葺かれていた鬼瓦や軒瓦、学校院出土の美麗な文様塼、「政所」「水城」「大城」「大寺」などと記された墨書土器、円面硯などの陶硯、生産用具、越州窯産などの輸入陶磁器、地鎮具、武器類、金銅仏・塑像片など多種多様である。特に官人が身に帯びた石帯は数多く、なかでも白玉(大理石)製の鉈尾は注目される。
本一括は、大宰府を構成する政庁や、寺院、防衛施設等の具体像や性格、機能を示すとともに、官人の実務や生活などを復元しうる資料であり、古代最大の地方官衙としての活動を具体的に表し、律令国家における地方経営の枢要な一端を示す一括として価値が高い。