徳島県観音寺・敷地遺跡出土品
とくしまけんかんのんじ・しきじいせきしゅつどひん
概要
阿波国府推定地に隣接する観音寺・敷地遺跡から出土した出土品の一括で、木簡(もっかん)213点、木器・木製品292点、土器・土製品 353点、金属製品43点、骨角製品4点から構成される。
特筆すべきは、質量ともに豊富な木簡群である。国司の政務と中央官庁とのやりとりを具体的に表す8世紀後半の「勘籍(かんじやく)」木簡、棒状の四面のうち一面に『論語』学而篇一の一節を記す7世紀中頃の「論語」木簡などが著名である。
この他、墨書(ぼくしよ)土器・銙帯(かたい)・硯など地方官衙における政務の実態を示す遺物に加え、木製の祭祀具・農具・工具・紡織具を含み、古代における地方官衙の政務や経営の実態、官人層の生活等を復元する上で学術的価値は高い。