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脇差 無銘

わきざし むめい

概要

脇差 無銘

わきざし むめい

その他

室町時代 16世紀

鉄 鍛造

刃長55.7 反1.1

1口

鎬造、庵棟、中鋒。鍛は板目に杢交じり肌立つ。刃文は湾れに小互の目交じる。刃中に砂流し・金筋かかる。帽子は表裏ともに掃きかける。茎は大磨上無銘、先切で鑢目ごく浅い切。目釘孔2つ開く。拵は鐺に鍬形の大尻金具を伴う突兵拵で、小柄と割笄を伴う。大磨上のため無銘だが、もとは室町時代頃の備前刀とみられる。また、この刀身を収める突兵拵は、幕末に盛んだった洋式訓練に合わせて登場した拵で、洋装のバンドにも挟みやすいように鞘尻を細く尖らせて仕上げた点に特徴がある。もとは兜鉢の頂部が尖った変わり兜のことを突盔形と称し、突は突出、盔は冑を表わす言葉であるためその音が兵に通じ、転じて先がなめらかに細く尖るさまを突兵と呼ぶ。近世末期に兵装が西洋化したことを示す好個の作例である。

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