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七言絶句「峯松」

しちごんぜっくほうしょう

概要

七言絶句「峯松」

しちごんぜっくほうしょう

/ 室町

一休宗純筆

室町時代・15世紀

紙本墨書

本紙 縦27.6 横67.2

1幅

一休宗純(いっきゅうそうじゅん)は、室町時代の初めから半ばにかけての禅僧です。
江戸時代に、子どものころの逸話としてとんち話が作られて広まり、いまも絵本やアニメにも登場するなど、多くの人に親しまれています。
一休の生きた時代は、戦乱の続く荒れた時代でした。一休は、さまざまな奇行を通じて既存の権力や権威を厳しく批判し、波乱の生涯を送りました。
そんな一休の生き方を示す逸話をひとつご紹介しましょう。
あるとき、きらびやかな衣に身を包んだ僧侶が集まっているところに、一休がひとりみすぼらしいかっこうで乗り込んできました。なんでそんなかっこうできたのかと問われたところ、「皆さんを引き立てるためだ」と答えました。
この作品は、そんな一休の晩年の作と伝えられるもので、松の緑をテーマにした詩を書いています。

だれもいない山の中に
豊かな緑の松が聳え立っている
どこからともなく琴の音が聴こえてきて
うららかな春の風景に調和している

旧暦の春ですから、現在のお正月頃の自然の情景をうたったものでしょう。
大胆で勢いのある筆跡は一休の人柄を感じさせますが、詩の内容は、穏やかで静かな心境をうかがわせます。
この作品は東京国立博物館賛助会からの寄附金により、購入されました。ご寄付いただいた皆様に御礼申し上げます。

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キーワード

一休 / 一休宗純 / 室町 / Ikkyu

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