花下群舞図
かかぐんぶず
概要
京都での花見のにぎわいを描いた名所遊楽図。右隻は祇園社、左隻は上賀茂社での花見に興じ、舞い踊る人々が賑やかに描かれています。右隻には大黒天と恵比須といった福神、左隻には南蛮人に扮装した人々を中心に風流踊が行われており、南蛮人に財福神としてのイメージが重ねられていたことを推測させます。周囲には酒宴をはじめ、喫煙、双六、けんか、一服一銭、犬にほえられる猿曳、物乞い、高野聖、恋文を手渡すところ、蜂に襲われる琵琶法師、腕相撲、宴会のための料理作りなど、さまざまな風俗が散りばめられています。金雲の構成や松樹の形態などから、慶長期(1596-1615)後半の狩野光信系の画家による作品と考えられます。近世初期風俗画の優品です。
【南蛮美術】