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岸和田城庭園(八陣の庭)

きしわだじょうていえん(はちじんのにわ)

概要

岸和田城庭園(八陣の庭)

きしわだじょうていえん(はちじんのにわ)

庭園 / 昭和以降 / 近畿 / 大阪府

大阪府

昭和前期/1953

大阪府岸和田市

指定年月日:20141006
管理団体名:

史跡名勝天然記念物

重森(しげもり)三(み)玲(れい)(1896~1975)は,日本の昭和期における代表的な庭園研究家及び作庭家であり,彼は生涯において約370に及ぶ歴史的庭園の実測図を作成し,200近くもの創作庭園を残した。その中でも,昭和28年(1953)に岸和田市の依頼に基づき岸和田城本丸跡に設計・作庭したのが岸和田城庭園(八陣の庭)である。
庭園の平面構成は中世の城郭(じょうかく)縄張図(なわばりず)を参考として考案されたもので,諸葛孔(しょかつこう)明(めい)の「八陣法(はちじんほう)」を主題とし,複雑な形状を成す3段の基壇の上に大将を中心として方(ほう)円陣(えんじん)の如く円形に配置された8群の石組みから成る。方円陣はもともと防御を目的としており,重森は敵を攻める陣形よりも外敵から守る陣形を8群の石組みの意匠・構成に採り入れたのだとされる。地上を巡ることにより一群の立石の立体的な造形を観賞するのみならず,立地する本丸全体の地形を含め庭園全体を岸和田城天守閣の最上階からも俯瞰するなど,水平・垂直の方向に展開する多様な視点から広く観賞することが意図された。抽象的な意匠・構成を重んじた重森の独創的な作庭理念を余すところ無く示しており,その芸術上の価値及び近代日本庭園史における学術上の価値は高い。

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