秋林読書図
しゅうりんどくしょず
概要
元代の画家である朱徳潤の自題と「朱氏澤民」印がありますが、本人の真筆ではありません。しかしその構図は、北宋の大画家・郭煕の構図を継承する李郭派【りかくは】と呼ばれる画派と類似し、朝鮮王朝初期の山水画や明時代の浙派にも類似する構図が見られることから、この作品も明時代に遡る貴重な古画と考えられます。『遵生八笺』【じゅんせいはっせん】を著したことで有名な明末のコレクター高濂【こうれん】の収蔵を経て、辛亥革命を避けて日本に亡命してきた羅振玉【らしんぎょく】(1866~1940)による題箋があり、山本悌二郎【やまもと ていじろう】(1870~1937)のコレクションでカタログである『澄懐堂書画目録』巻二、に著録されています。(110822h_21)