伊勢集(石山切)
いせしゅう いしやまぎれ
概要
平安時代の歌人、藤原公任(ふじわらのきんとう)は、同時代の和歌の名手三十六人(三十六歌仙(さんじゅうろっかせん))の歌を編集した「三十六人撰(さんじゅうろくにんせん)」をつくりました。三十六歌仙の歌集の古い写本が、京都市・西本願寺で見つかった「本願寺本三十六人家集(ほんがんじぼんさんじゅうろくにんかしゅう)」です。ここから、「貫之(つらゆき)集」下と「伊勢集」と呼ばれる冊子を分割したものを、石山切(いしやまぎれ)と呼びます。この名前は、本願寺がもとあった大坂・石山にちなんだものです。
今回ご紹介する「伊勢集」は、平安時代の女性歌人、伊勢の和歌を集めた歌集(家集とも)の一部を掛け軸に仕立てたものです。文字が書かれている紙を見てください。貝殻を砕いた粉末・胡粉(ごふん)を動物の骨や皮からつくられた接着剤・膠(にかわ)で溶き、それを紙にぬって、白くしています。その上に、粉状にした銀を膠で溶いた銀泥で蝶や鳥、草花のもようをあらわしています。このように装飾した紙を装飾料紙(りょうし)と呼びます。
石山切は装飾料紙を使った作品の中でも最も華やかなものの一つです。文字だけではなく、紙の美しさにもこだわった、華やかな貴族文化を象徴する作品です。
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