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反鉢

そりばち

概要

反鉢

そりばち

陶磁 / 江戸

備前

江戸時代・17世紀

陶製

高4.8 長径33.8 短径29.3

1口

 鉢の内側に大きさの異なる6つの丸。その周りはなにかを散らしたような細かい模様が付いています。縁の一部が反り上がった独特の形から、反鉢(そりばち)と呼ばれます。
 これは、岡山県の東南部で作られた備前(びぜん)焼のうつわです。備前焼は13世紀ごろから「焼き締め」と呼ばれるやきものの産地として知られます。焼き締めとは、絵を描いて焼きつけたり、表面をコーティングする釉薬(うわぐすり)をかけたりせずに、そのまま高温で焼き上げます。そのため、土の風合いが生きた仕上がりになります。
 備前焼の特徴は、窯の中で焼いたときに表れる色の変化です。焼いている時に薪の灰がうつわに付着すると、色がつきます。点をちらしたようなものを胡麻(ごま)と言い、この作品のように黄色く見えるものを、黄胡麻(きごま)と呼びます。また、丸の部分はぽっかりと色が抜けています。これは焼くときに丸い小物を置いて重ね焼きをしたことによってその部分だけ灰がかからず、色がつかなかったためです。この丸い跡は和菓子の牡丹餅(ぼたもち)のように見えることから、その名で呼ばれます。このような色合いは灰の量や温度によって変化します。焼いてみないとどう出てくるか分からないというところに、面白さがあるのでしょう。
 備前焼の特色を盛り込み、創意に富んだデザインが、茶の湯の道具としても好まれました。多彩な茶の湯のうつわがたくさん登場する17世紀はじめごろに作られた作品です。

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キーワード

焼き / / / 釉薬

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