吉田秋祭の神幸行事
よしだあきまつりのしんこうぎょうじ
概要
吉田秋祭は、宇和島市吉田町立間の八幡神社の11月3日秋季例大祭における神幸行事である。近世後期に成立した祭礼風流(ふりゅう)であるねり行列(おねり)の形態を幕末期に描かれた複数の絵巻物で確認できるとともに、近世祭礼の姿が江戸時代と変わらない町割りの中において江戸時代後期から継承されていること、南予地方の祭礼に登場するねり物の要素が広範に含まれて構成されることが特徴である。おねりには、御船、練車、鹿の子、牛鬼、宝多、御用練りなどがある。牛鬼、鹿踊など南予地方独特のねりを見ることができる。贅を凝らした練車や立体刺繍の飾り幕は吉田町人の財力を物語るものである。練車の静的な運行に比べ、牛鬼や神輿のあり方は近代に大きく躍動化を遂げ、演じることを見せる祭りへの変化がうかがえる。