竹内門跡良恕親王短冊
たけうちもんぜきりょうじょしんのうたんざく
概要
初代佐賀藩主勝茂の嫡子忠直は寛永12年(1635)正月28日、23歳の若さで疱瘡により江戸で逝去した(法名 興国院殿敬英賢崇大居士)。本資料は忠直の逝去を知った竹内門跡良恕親王が「不慮の儀、驚き入り候」として勝茂に贈った作。「人の親のたゝなをさりのわかれとも おもひさためぬ涙なるらし」と、歌中に「忠直」の四文字を詠み込んでいる。大小の金切箔や金銀の砂子による雲霞の合間に蓮池を表した地に、短冊が貼り付けられており、軸端の小口には八弁の蓮が表されているのは忠直追善の意味と考えられる。良恕親王(1575~1643)は後陽成天皇の弟で、書画や和歌を能くしたことで知られる。