花杏葉紋刺繍切平緒・石帯・笏
はなぎょうようもんししゅうきりひらお・せきたい・しゃく
概要
箱書きにより初代鍋島勝茂の嫡子忠直(興国院、1613-35)が着用したと分かる。いずれも束帯を着用する際の付属品。平緒は儀仗の太刀を佩く帯のこと。組紐でつくり刺繍するもので、唐草と鍋島家の家紋である花杏葉紋があらわされる。石帯は袍の腰を束ねる革帯で、黒漆革に玉で飾っており、紙縒墨書には「興国院様」と記される。笏は右手に持ち威儀を整えた板片。忠直は疱瘡にかかり23歳の若さで没したため、長男光茂が2代藩主を継ぐこととなった。