昇龍奉持羅漢座像置物
しょうりゅうほうじらかんざぞうおきもの
概要
中野作治郎作の羅漢座像の銅器置物である。
大きく襞の入った衣などリアルな表現は蝋型鋳造による。
底面に「大日本富山縣高岡市/作者 中野作治郎」と銘がある。
高岡市が市となったのは明治22年(1889)なので、それ以降の作品である。また「大日本」とあることから、輸出向け製品と思われる。
中野は高岡に生まれ、少年時に大阪に移住。鋳金の修行をしたという。号は清風。名は作次郎とも書く。明治33年(1900)パリ万博、同37年(1904)セントルイス万博などに銅像を出品している。大正13年(1924)から昭和15年(1940)まで、大阪市立工芸学校(現大阪府立工芸高校)金属工芸科で後進を指導した。高岡大仏の原型を手掛けた彫刻家・中野双山(1881~1940)は、甥にあたる。