岩上の女
がんじょうのおんな
概要
岩上の女
がんじょうのおんな
たるたにせいたろう,さかいこうざん
富山県高岡市
明治後~昭和期
銅・鋳造
幅12.4cm×高さ22.9cm×奥行21.9cm
1
富山県高岡市古城1-5
資料番号 3-04-6
高岡市蔵(高岡市立博物館保管)
岩上で左耳のあたりに両手を添えてポーズをとる裸婦の鋳物「岩上の女」である。原型は高岡市出身の彫刻家・樽谷清太郎によるもので、高岡鋳芸社の堺幸山が鋳造した。箱蓋表に「樽谷清太郎作/岩上の女」と、箱裏には「高岡鋳芸社/鋳造 堺幸山(印)」と墨書がある。岩の背後には落款がある。資料の保存状態は良好である。
<樽谷清太郎(たるたに せいたろう)>
明治36年(1903)9月1日~昭和48年(1973)9月2日。
彫刻家。高岡市二番町に鮮魚商政男の長男として生まれる。大正11年(1922)高岡工芸学校彫刻科を卒業し、東京美術学校彫刻科に入学。朝倉文夫・北村西望に師事する。昭和3年(1928)同校を卒業。在学中、帝展に初入選し、以後8回入選。文展3回入選・無監査推薦3回出品。日展4回入選・日展依嘱出品。この間受賞2回。昭和23年(1948)から日本彫刻家連盟事務長を3期務めた。昭和26年(1951)東京都主催日比谷公園野外彫刻展を創立。昭和35年(1960)東京都豊島区美術協会長、山林美術界彫刻部代表委員など要職を数多く務める。代表作は堅実で伸びのある裸婦立像「想念」のほか、「慈母観音像」(兵庫県池田市)、「お鶴とお弓の像」(徳島市)、元運輸大臣の「岡田勢一郎像」などがある。県内では富山城址公園の「ライオン噴水」が知られる。享年70歳。
<参考文献>富山大百科事典編集事務局編『富山大百科事典 下巻』北日本新聞社,1994