摩尼山
まにさん
概要
鳥取県東部に位置する喜見山摩尼寺(きけんざんまにじ)の境内を成す摩尼山(標高357m)は,大山(だいせん)や三徳山(みとくさん)と並ぶ天台宗の拠点的霊山で,古くから,因幡(いなば)に住む民が死後に彼岸に旅立つ際に一旦霊魂が滞留する場所として信仰を集めてきた。旧参道と歴代住職等墓所,山腹の境内地に建立された堂宇群,自然環境などから成る風致景観が良好に保全されている。特に巨巌(きょがん)・岩窟等から成る奥の院の奇景に優れ,日本海・鳥取砂丘等を一望する鷲(わし)が峰(みね)(立岩(たていわ))はこの地域を代表する展望地点として長く親しまれてきたもので,山内に点在する多くの石仏群も独特の風致を添え,自然の名勝地として意義深い事例である。