「売薬請払帳」
ばいやくうけはらいちょう
概要
本資料は、銅器問屋で売薬も手掛けた角羽家の明治17年(1884)の「売薬請払帳」である。表紙には「明治十七年/売薬請払帳」とある。右上には薬品数などについての文が書かれた貼紙がある。
内容は、まず「田代半兵衛請料」の項目で、金額と薬名・個数などが記されている。一部、個数を記した下に付箋が貼り付けられている。続いて「此年残薬品」の項目が設けられ、金額、薬名・個数が列記され、末尾に「〆四拾六円九拾九銭」とある。薬名は熊胆丸・奇応丸・セメン円・龍神湯・和中散・万金丹など12種が挙げられている。
続いて薬名が3段22列にわたって列記されている。一角粉・三蔵円・肝臓円・神功丸・一粒金・紫金錠・解毒丸・五臓円など61種の薬名がみられる。
裏表紙には「富山県射水郡高岡/小馬出町七十四番地/角羽勘左衛門」と記されている。
ちなみに角羽家(羽広屋)は江戸後期から売薬も手掛けており、幕末から明治初期の高岡町掛場帳所有者書上(明石氏記録)によると、「他(他国廻りの意)三人 羽広勘左衛門」とある(『清水家沿革歴代資料』城宝正治、1994年、p112~114)。
資料状態は、折れ・シワが見受けられるものの、比較的良好である。